高麗工芸社ブログ
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名古屋でもっとも親しまれる”金”といえば
2023.07.28
高麗工芸社が本社を置く愛知県で親しまれてきた「金」といえば、名古屋城の天守閣に鎮座する「金鯱」。
「きんしゃち」や「きんのしゃちほこ」と呼ばれ親しまれています。
〇金鯱の大きさ
金鯱は北側の雄(オス)、南側の雌(メス)の一対で、雄がやや大きくできています。
体を覆う金の鱗は雌の方が多く、煌びやかにデザインされているという違いがあります。
現存する雄の金鯱の高さは2.621m。
対して、雌の高さはは2.579m。
雄で44.69kg、雌で43.39kgもの金が使われています。
〇金鯱の歴史
鯱は、城の天守閣、櫓などの屋根に使われる装飾のひとつで、その起源は1612年に遡ります。
徳川家康の支配力や徳川家の権威を誇示するため、名古屋城天守閣の完成の際に、豪華な金鯱が載せられました。
現代人の私たちはなんとなく「シャチ」という海の生き物をイメージしますが、「しゃち」は想像上の生き物で、頭は龍(または虎)で胴が魚の生き物です。
空に向かって伸びる尾を持つのが特徴です。
江戸時代、金鯱の輝きは「熱田の浜に魚が寄らないほど光っている」と歌われた、と伝えられています。
しかし、尾張藩が財政難に直面すると金鯱の価値があてにされ、明治期までに3度改鋳されたといわれます。
明治には、名古屋城と金鯱の取り壊しも決まりましたが、名古屋城の文化的価値を高く評価する人々の熱意で、かつての図面を元に復元されて、現在は2代目の金鯱が名古屋城の天守閣で輝いています。