高麗工芸社ブログ
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国内最高水準の地金加工技術、業界最安値の加工料を実現
黄金が人を惹きつけるワケ
2023.08.11
昔から、黄金にまつわるエピソードはたくさんあります。
歴史上に登場する黃金は、ときに人々の争いを生み、世界地図をも変えてきました。
〇黄金の世界史
しかし、どうして「黄金」はそれほどまでに人々にとって特別な存在であり続けるのでしょう。
その疑問に、「黄金の世界史」、増田義郎(1997)、講談社学術文庫は迫っています。
増田郎著さんは、この本で「黄金」に固有の価値として、4つのポイントを挙げています。
1.黄金の稀少性
金の数量は有限であり、供給量は限られています。
また、金の採掘と加工には多額のコストがかかるため、その希少価値が損なわれることはありません。
2.黄金の柔らかさ
薄く叩く、曲げるなど、金はさまざまな種類の加工に耐えるので、優雅で高貴な装飾品の材料として用いられてきました。
金の持つ可鍛性は、工芸品や美術品として、黄金が世界で流通する要因の一つとなったと説明します。
3.錆びない不変性
純金は永遠に錆びず、朽ちず、変質することもありません。
そのため、黄金は永遠の生命をもつ神の象徴と考えられてきました。
さらに、この本ではもうひとつのポイントを挙げています。
4つめのポイントは「神秘性」です。
19世紀を代表する心理学者のフロイトは、
「黄金は人間の深い潜在意識の中で本能を満足させ、シンボルとして用いることをうながす何ものかを持っている」と書き残しました。
つまり、黄金の放つ神秘的な色彩こそが、人の本能を刺激するとフロイトは語ります。
昇る朝陽が放つ黄金色、照らす日輪の光、地平線に没する斜陽の色など、黄金色が放つ深みはさまざまです。
古代中国から続く風水でも、色彩としての金は重要な役割を担ってきました。
このように、黄金が人々を惹きつけてきた理由は、黄金のもつ希少性や機能的な価値のみでなく、その色彩が放つスピリチュアルな魅力に秘められているのかもしれません。